Article: Editionary vol.1 誰でもない自分

Editionary vol.1 誰でもない自分
「こうなりたい自分」よりも先に、
誰かの価値観や正解が目に入ってくる。
SNSを開けば、
かわいいも、おしゃれも、成功も、
いつの間にか、
誰かによって定義された価値観の中にいる。
だから私たちは、
改めて問いかけたいと思いました。
自分は、どうありたいのか。
振袖には、
古くから受け継がれてきた柄や文様に、
それぞれ意味や願いが込められています。
振袖は、
ただ着るものではなく、
自分の意思や価値観を纏うことができる装いなのだと、私たちは考えています。
Editionaryは、
KAPUKIが考える“今の美しさ”を、
振袖を通して表現するエディトリアル企画です。
振袖に込められた伝統的な意味、ルール、その在り方。
私たちが無意識に受け入れているその「辞書(Dictionary)」を一度ひっくり返し、
現代の感性で、まったく新しい視点へと「編集(Edit)」していく。
Editionaryという名前には、
そんな想いが込められています。
伝統とは、変わらないものではありません。
振袖もまた、
時代とともに形を変え、
意味を変えながら受け継がれてきました。
だから私たちは、
伝統を守るために立ち止まるのではなく、
伝統を未来へ繋ぐために、
今という時代の視点で問い直し、
編集し続けたいと思っています。


vol.1のテーマは、
「誰でもない自分」
今回、モデルにはあえてメンズモデルを起用しました。
振袖とは誰のためのものなのか。
伝統とは守るだけのものなのか。
そして、
装いとは誰かに決められるものなのか。
固定観念から少し距離を置くことで、
振袖が本来持つ意味や力を、
もう一度見つめ直したいと思いました。

モデル自身が持つ空気感を軸に、
目元へ墨とストーンを散らしたヘアメイク。
それは、
完成された美しさではなく、
まだ輪郭を持たない意思の象徴です。

今回着用したのは、
黒地に大きく鳳凰が描かれた振袖。
鳳凰は古くから、
飛躍や再生、新たな始まりを象徴する吉祥文様です。
誰かが示した未来ではなく、
自ら選び取る未来へ。
そんな願いを、この一着に込めています。

そして今回、
Photographer / Filmmaker の Rei Kuroda 氏を迎えました。
Rei氏は、2018年に振袖KAPUKIの原点ともいえるビジュアルプロジェクト『ぶ』を撮影してくださったクリエイターです。
8年の時を経て、
再びRei氏とともに新たな物語を紡げることを嬉しく思います。
振袖は、
何を着るかを選ぶものではなく、
どんな意味を纏うかを選ぶもの。
誰かになるためではなく、
誰でもない自分になるために。
これは、KAPUKIがビジュアルを通して紡ぐ、新しい物語のはじまりです。
振袖KAPUKI


